価格 | 2,200円(税込) |
著者 | 小檜山 悟 |
判型 | A5判 |
ページ数 | 232ページ |
ISBN | 978-4866733050 |
発売日 | 2022/04/19 |
2022年生誕130周年『日本競馬の父』尾形藤吉の生涯を日本競馬の歩みとともに振り返る
明治、大正、昭和と日本競馬の歴史とともに歩んだ騎手兼調教師・尾形藤吉。
JRA発足後は通算1670勝、日本ダービー8勝、八大競走39勝と他の追随を許さない圧倒的な成績を残し、さらに騎手、調教師の弟子を育て上げ、主な直弟子だけでも45名にのぼります。
今年生誕130周年を迎え、それを記念してJRA競馬博物館では今秋「尾形藤吉展」が開催されます。
本書は、JRA現役調教師の小檜山悟氏が「日本競馬の父」尾形藤吉の生涯を関係者の取材を交えて紹介しながら、日本競馬の歩みを振り返り、同時に今日に至る影響力、匠の技を現役調教師として解説します。
尾形藤吉プロフィール
1892年生まれ。北海道出身。1908年目黒競馬場で騎手デビュー。1911年からは調教師兼業。
騎手として148勝。戦後、1954年JRA発足後、通算9390戦1670勝。年間最多勝利調教師12回、優秀調教師賞等受賞18回。
1938年黄綬褒章、1940年双光旭日章叙勲。1981年没。
【目次】
プロローグ・運命のレース ~1981年(昭和 年)9月セントライト記念~
北の大地を駆ける少年 ~幼少期から尋常小学校時代~
馬好きの出自/旅立ちのとき
プロの騎手を目指す ~北海道から東京へ~
御料牧場での修行/訪れたチャンス/当時の競馬界/騎手見習い/師匠の教え
馬券禁止で大ショック/デビュー戦で師匠と鎬を削る/大河原藤吉から尾形藤吉へ
騎手・尾形景造、大レースを制す ~多賀厩舎へ移籍~
厩舎を移る/「藤吉」から「景造」へ。2度目の改名
当時のおカネ事情と徴兵制/負けじ魂/意地の願掛け
尾形厩舎開業す ~独立して調教師兼務へ~
結婚そして独立/長男誕生/馬券復活/大病克服と快進撃/厩舎の躍進/世紀の対決
オリンピック/日本ダービー創設/東京競馬場開場/ダービー初制覇/勝利の鞭
第2幕スタート ~騎手を引退し、調教師として活躍~
調教師に専念/火事騒ぎ/厩舎の日常/クラシック
前田長吉とクリフジ/能力検定競走
「大尾形」への道 ~戦後大躍進の時代~
戦後ダービーと尾形厩舎/相馬眼と年間100勝/妻・栄子、病床に臥す
JRA誕生/初の海外遠征/キャリアハイ/黄綬褒章とその後の尾形厩舎/巨星落つ
「尾形藤吉の息子」と呼ばれて ~跡を継いだ尾形盛次~
宿命を背負う/戦争で事情が変わる/厩との決別/転機/修行/独立
親子2代・メジロティターン/抽せんの星・コーセイ/引退
●第2章 調教の秘密
口で乗れ
口向きを直す/原因はいろいろ
尾形の四戒
先生をよく知る大先輩たち/「四戒」がもつ意味
馬見の基本は「馬相」から
一生もの/現代の馬見
「傷もの」を大成させる喜び
故障しそうな箇所/訳あり物件
ツメは競走馬の急所
ツメの形/装蹄の技術
きびしく気長に
厩舎を回す/馬主さんとのつき合い
馬に勝て
馬の気性/ヨーロッパに学ぶ
調教タイムはクセモノ
ひとつのファクター/だまされた!
故障は一日、治療は百日
「無事これ名馬」の難しさ/ダービーウィークのアクシデント
装鞍の塩梅
微妙な腹帯の締め方/装鞍は得意
パドックはホンの参考程度に
身も蓋もない話/馬だけでなく、人にも注目
好騎手は頭と太っ腹
騎手のことは騎手に/騎手決定までのドラマ
君子、当たり屋に近よらず
ツキを避ける/続けた者勝ち
ハダ馬の不可思議な摂理
北海道へ/繁殖牝馬がつなぐ縁
走ってびっくり・・・新馬戦
新馬戦の季節/ゆかりの血統
心に秘める世界制覇の日
日本馬初の海外遠征/厩舎の事情/海外遠征時の問題/見果てぬ夢
●特別編1 名跡の行方
伝達式の言葉/調教師の仕事
●特別編2 歴史の生き証人
尾形藤吉厩舎に入る/先生の眼光
●特別編3 豪華な聖地巡礼の旅
墓前報告/託された思い/尾形藤吉先生の一番弟子/入会の資格
●特別編4 尾形充弘先生特別インタビュー
サラリーマン時代と昔の競馬界/「尾形」の重み/ステージとプライド
グラスワンダー、幻の海外遠征/これからの競馬
●資料編1 尾形一門系統図
●資料編2 尾形藤吉略年譜