価格 | 1,870円(税込) |
著者 | 山田井ユウキ |
判型 | 四六判変形 |
ページ数 | 256ページ |
ISBN | 978-4866734347 |
発売日 | 2024/12/20 |
読めば、飲む前から〝推しワイン〟ができる!
〝物語からワインが好きになるタイプ〟の著者(ワインエキスパート)が、自身をワイン沼に引きずりこんだ数々のワインストーリーから、41本をセレクトして語った一冊です。
百年越しで一族の悲願を叶えたワイン、世界の勢力図を一変させたワイン、滅亡の危機を乗り越えたワイン、超資産家のまごころが込められたワインーーワインの世界に興味を持ちはじめた人におすすめの定番物語を中心に集めました。
物語を知ればありがたみが増し、ありがたみが増せば、そのワインはもっとおいしくなる!
ワイン教本の〝読み物系〟副読本にもぜひどうぞ。
■カバー装画|東京メロンボーイ(浦上和久)
エピソード一覧
第01話 「我はムートンなり」
第02話 永遠のブランド力「ボルドー格付け」
第03話 1級に迫る「スーパーセカンド」たち
第04話 パリスの審判
第05話 「カリフォルニアワインの父」は屈しない
第06話 もしワイン界の巨匠が手を組んだら
第07話 「イタリアの至宝」が生まれた理由
第08話 ベルリンテイスティングの興奮
第09話 偽造ワインの王
第10話 神の舌を持つ男
第11話 アメリカンドリームをつかんだワイン
第12話 バローロ・ボーイズの変
第13話 トム・クルーズが飛んできたワイン
第14話 ブルゴーニュの「天地人」
第15話 ロマネ・コンティの受難
第16話 ドンペリ、父に捧げる1%
第17話 救国のワイン
第18話 ナポレオンの〝推しワイン〟
第19話 シャンパーニュの偉大な未亡人
第20話 ロシア皇帝の特注シャンパン
第21話 忠誠のブルネッロ
第22話 日本庭園のようなワイン
第23話 エスト! エスト!! エスト!!!
第24話 家族をつなぐロマンチックワイン
第25話 天才マダム・ルロワと髙島屋
第26話 女王シャトー・マルゴー
第27話 堕ちた名門とサントリー
第28話 庶民派ワインの生きる道
第29話 大統領が選んだスパークリング
第30話 壁を乗り越えるアスリナ
第31話 カウラの桜と日本兵
第32話 まごころを伝えるワインハート
第33話 ワインを造る病院の競売会
第34話 ボルドーは未来を値付けする
第35話 庶民派ワインブランディングの苦悩
第36話 サンテミリオンは胃が痛い
第37話 ワイン帝国LVMH
第38話 〝ニュージーランド推し〟で正解!
第39話 外交とワイン
第40話 甲州ぶどう伝説
第41話 ワインは一度、滅びかけた
はじめに(本書より)
僕はワインを物語から好きになるタイプです。
ワイン沼にハマって10年。いまでは好きが高じてワインエキスパートの資格を取得し、ワインの知識を体系的に学び、味を客観的に評価する術をあるていど習得はしていますが、それでもやっぱり、物語抜きだとワインが味気なく感じちゃうんですよね。
元来の中二病体質のせいでしょうか。「シャトー・ムートン・ロートシルト」の一族悲願のストーリーを知ったときには、もう血が騒いで飲む前からおいしくなっちゃってましたし、「パリスの審判」の熱い展開に当てられてすぐにカリフォルニアワインを買いに走りました。いまが「フィロキセラの厄災」後の世界なのだと知ってからは、どんなワインも尊く感じてしまいます。単純なんです。
ワインボトルの半分は物語で満たされている。そう思うようになりました。
「物語のあるワイン」を集めていくうちに、気合を入れて買ったはずの大きなセラーにはワインが入り切らなくなり、ワインを保管するためだけのワイン部屋をつくり、それでも足りずにいまでは外部ワインセラーを契約してストックしています。10年後の熟成を待って眠りについているワインもあります。
「ワインは飲むけど詳しくなくて……」ですか? もちろん、ぶどう品種や産地の知識はあったほうがいいかもしれません。そうなれば、なんとなく好みのワインも選べるようになって楽しいでしょう。でも、ワインを味わい深くしてくれるのは、教科書的知識よりも物語なんです。
ワインにまつわる伝説や逸話や事件の数々。神話やおとぎ話のように、さまざまなバリエーションでいまに伝わる物語がたくさんあります。真偽不明の話もワインのうまみをマシマシにするエッセンスです。
僕たちは、ワインを飲んでいるというよりは「物語を飲んでいる」んです。
本書ではそんなワインにまつわるストーリーをコンパクトにまとめました。僕を沼に引き込んでいった物語たちです。順番に読んでいただいてもいいですし、気になったタイトルから読んでいただいても楽しめます。定番ものを中心にそろえたので、ワインに興味を持ち出した方に読んでもらえたらうれしく思います。そして、物語からそのワイン好きになってくれたら、もっとうれしいです。
飲む前から 〝推し〟 になる──そんなワインがあってもいいんです!
著者|山田井ユウキ
ワインエキスパート(日本ソムリエ協会)、WSET Level3(Wine & Spirit Education Trust)、ドイツワインケナー(日本ドイツワイン協会連合会)、「第8回 J.S.A. ブラインドテイスティングコンテスト」ファイナリスト。
ワインも含め興味のおもむくまま多ジャンルで執筆するフリーライター。もとはブログ「カフェオレ・ライター」でマルコと名乗り、生きていく上で特に知る必要のない情報を発信していたところ、勤めていた会社が解散していつのまにか専業ライターに。BL帯研究家というこの世にひとりしかいなそうな肩書きを名乗っていたことも。
ワイン沼にハマってからは日常的に飲むのはもちろん、「物語」を感じるワインをコツコツと数百本収集。1980年生まれ。
お詫びと訂正
第1刷(2024年12月20日発行)におきまして、本文中に誤りがありましたので、下記のとおり訂正いたします。読者ならびに関係者のみなさまにご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
- 186ページ 9行目
- 誤:南アメリカを代表する
- 正:南アフリカを代表する
- 226ページ 9行目
- 誤:フワンソワ・ピノー
- 正:フランソワ・ピノー